本当に儲かるの?今、小形風力発電が注目されているワケ

201801.27

はじめまして、ウインドバンク編集長のNABEと申します。
このたびは【連載コラム はじめての方へ】に訪問していただき誠にありがとうございます。このコラムでは、小形風力発電にご関心のある方へ、とくに知って間もない方へ、本当に投資のメリット・デメリットがあるのか、どんな手続きがあるのか、検討する上で必要な知識を、現場の第一線で営業をしている私が丁寧に解説していきます。
まずは、冒頭のタイトルにあります、小形風力発電投資は本当に儲かるの?という疑問についてお話していきます。
それではどうぞ!


目次
1. 小形風力発電の魅力は?

1-1. 小形風力発電のほうが売電価格は高い

1-2. 小形風力発電のほうが変換効率は高い

1-3. 小形風力発電は24h365日稼働する

1-4. 小形風力発電のほうが工期が短い

2. 小形風力発電のデメリットは?

2-1. 小形風力発電のほうが初期費用は高い

2-2. 小形風力発電を設置するに適した土地の問題

3. まとめ


1. 小形風力発電の魅力は?

1-1. 小形風力発電のほうが売電価格は高い

日本政府が東日本大震災を機会に、再生可能エネルギーによる発電を推奨している背景があります。震災直後から盛り上がった太陽光発電ですが、今現在、国による小形風力発電の固定買取価格が、太陽光のそれをはるかに超えています。
平成29年度(2017年4月~2018年3月)における風力発電の買取価格・買取期間は以下のとおりです。
風力発電20kw未満の設備の売電価格は55円/kw+税(20年間)
1kwあたり55円で、しかも20年も買い取ってもらえます。
よく太陽光発電の10kW以上2,000kW未満の買取条件と比較されますが、太陽光発電の場合は1kwあたりの買取価格が21円、買取期間20年となっています。
買取条件においては、小形風力発電のほうが太陽光発電に比べて圧倒的に有利なことが分かると思います。後程、詳述しますが、風力発電機の建設費や年間維持費などコスト面を加味しても、風力発電投資の平均的な利回りは高く、今や注目を集める投資スタイルとなっています。

1-2. 小形風力発電のほうが変換効率は高い

ナセルのなかには、風の力を電気に換える発電機や翼の角度を自動的に変えることができるコンピューターなどが収められています。
小形風力発電の仕組みを簡単にお伝えすると、大きな羽がブレードと呼ばれ、ブレードに風が当たることで回転します。
そして、ブレードの回転がナセルという本体装置に伝わり、ナセル内の倍速機によって回転数が増大します。
生まれた回転エネルギーが発電機に伝わって、電力が生まれます。
これが発電するまでの流れです。
実は、小形風力発電は、効率の高い発電方法と言われています。
なぜなら風力の運動エネルギーのうち、約30~40% が電気に変換されるからです。
太陽光発電の変換効率も15~20% と充分に高いのですが、それに比べても小形風力発電の変換効率の良さが分かります。

※電力の変換効率とは簡単に言えば、エネルギー源100%のうち何%が電力に変わるかの比率のことです。
風力発電で言えば、風の力をどれくらいの効率性で電力に変換できるのか?ということになります。

1-3. 小形風力発電は24h365日稼働する

小形風力発電のブレードは風があれば回ります。
太陽光発電と違い、私たちが寝ている夜でも風が吹けば、発電中となります。
もちろん風が吹かなければ発電しないのですが、小形風力発電機は年間平均風速を勘案した場所に設置されます。
シミュレーションとはまったく違う発電量になってしまう事態は回避できるでしょう。
というのも、風には偏西風や季節風などある程度決まった法則があります。
数ある風の法則や解析ソフトをもとに地形などを考慮すれば、1年中安定的に風を提供してくれる場所を特定するのは、難しいことではありません。シミュレーターについては、今後このコラムで詳しく解説していきます。

1-4. 小形風力発電のほうが工期が短い

小形風力発電設備は、他の発電設備に比べて建設工期が短いです。
平均すれば着工から完工まで約1ヶ月程度です。
他の発電設備の工期と比べて、短期での設置が可能なのは明らかでしょう。
つまり、小形風力発電は工期が短いので、コスト回収も他の発電設備に比べてより早く始まります。

 

2. 小形風力発電のデメリットは?

2-1. 小形風力発電のほうが初期費用は高い

実際に小形風力発電を導入するのにどれくらいの費用がかかるのでしょう?
太陽光発電と比べてみましょう。

それぞれメーカーや設置する土地の地盤等によって施工費等変わってきますので、一概には言えませんが、
太陽光発電20Kwの場合
設置コストは、1Kwあたり約25万円で20Kwでは約500万円程度となります。
小形風力発電の場合
設置コストは、1Kwあたり約150万円で約3,000万円となります。
上記のように設置コストに関しましては、小形風力発電の方が高くなります。
これは、投資家にとってデメリットといえるでしょう。

太陽光発電20Kwの場合 設置コストは、1Kwあたり約25万円で20Kwでは約500万円程度となります。 小形風力発電の場合 設置コストは、1Kwあたり約150万円で約3,000万円となります。

設置コストの比較

では、それぞれの発電量は、どれくらいになるのでしょうか?
これも、設置場所等で変わってきますが、
太陽光発電20Kwの場合
1Kwあたりの年間発電量は、約1,000Kw程度で、20Kwの場合、約20,000Kwになります。
小形風力発電の場合
WinPower GHRE19.8j の場合、平均6m/sの風速で、年間発電量は85,600Kwになります。

太陽光発電20Kwの場合 1Kwあたりの年間発電量は、約1,000Kw程度で、20Kwの場合、約20,000Kwになります。 小形風力発電の場合 WinPower GHRE19.8j の場合、平均6m/sの風速で、年間発電量は85,600Kwになります。

年間発電量の比較

これをもとに売電価格を比較すると
太陽光発電20Kwの場合
20,000Kw×21円=418,000円/年
小形風力発電の場合
85,600Kw×55円=4,708,000円/年
ご覧いただいたように、売電では小形風力発電が有利な状況にあります。

太陽光発電20Kwの場合 20,000Kw×21円=418,000円/年 小形風力発電の場合 85,600Kw×55円=4,708,000円/年 ご覧いただいたように、売電では小形風力発電が有利な状況にあります。

年間売電価格の比較

※それぞれの数字は目安となるもので、保証するものではありません。

2-2. 小形風力発電を設置するに適した土地の問題

ここまで注目されている風力発電ですが、これは日本特有の問題と言っていいと思いますが、島国で山が大半の日本は、一般的には風力発電に向いている地形とは言えません。
風力発電機は、海外に見られるように通常は、広大な平地に建てるものです。
しかし、日本にはそのような土地が数多くありません。
あったとしても、風の条件が合うかどうかという根本的な問題がありますので、太陽光発電と比較して、国内で小形風力発電を設置できる場所というのは、無尽蔵にあるわけではなく、限られたエリアにしかないことになります。

 

3.まとめ

いかがでしたか?ここまで、ご覧になっていただいた方なら、今、小形風力発電が最も注目される投資だとご理解いただけたかと思います。
現在、小形風力発電には高い売電価格が設定されていますが、将来的には太陽光発電と同様に普及に伴って売電価格の引き下げが行われます。
また、小形風力発電を行うに適した土地の問題もあります。
つまり、これだけ有利な状況はいつまでも続かないということです。

次回は、小形風力発電を設置するのに有効なエリアと導入実績等をお伝えします。
ご興味のある方は是非、次回もご覧ください。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。